森林づくり地域リーダー養成研修(最終回) [その他]
昨日は森林づくり地域リーダー養成研修の第4回に参加してきました。今回で最後の研修となります。開催場所は前回と同じく、石岡市の龍神の森キャンプ場の林です。
今回のテーマは「森林の利活用」ということで、間伐材などを利用したキノコ栽培の実習です。
まずはスタッフの方から、キノコに関する基礎知識と栽培方法の説明を受けます。基礎知識の内容は、キノコの役割と栄養価、都道府県別の栽培状況など。要約すると概ね以下のようになります。
栽培方法に関する説明は、栽培に適する樹木の種類と栽培方法の流れです。
前者についてはキノコ栽培の本から抜粋した表をもらいました。キノコもたくさんの種類があるので棲み分けが必要ということで、向き不向きの樹種がキノコごとに異なるとのこと。ただし一般的に言えるのは、樫などの堅い木や針葉樹は全般に不向きで、柔らかい落葉樹が栽培には向いているらしいです。とはいえ、木の種類なんてほとんど知らないし、ましてや堅いか柔らかいかなんて全く分かりませんけどね。
栽培手順はだいたい以下の通りです。
前置きがだいぶ長くなりましたが、いよいよ実習に入ります。今回は↑の手順の中から植菌作業を行います。原木の準備からやらないのは、伐採してから樹木の細胞が死滅するまでに2ヶ月くらい掛かるためで、細胞が生きている状態では、菌を植え付けても活着しにくいからだそうです。
午前中はシイタケの植菌です。ご存知の方もいるかと思いますが、シイタケの菌は種駒(家具などに使うダボみたいなもの)として販売されており、それを原木に打ち込むことにより、菌を植え付けます。
ということで、まずは種駒を打ち込むための穴を、専用のドリルを使ってあけていきます。使う原木はコナラで、割り当ては一人2本。
菌糸は樹木の繊維に沿って伸びていくので、縦方向は20センチ程度の間隔をとります。原木を4回から5回くらい回転させて、円周方向には千鳥になるようにあけていきます。
穴の深さは2センチ程度で、種駒を打ち込んだ先に少しスペースが確保できるようにするとのこと。それもドリルの方で調整してあるので、穴あけ作業は超簡単。1本につき1分も掛からずに終了です。ただし、斜めにあけると駒を打ちにくくなるので、樹皮から木の中心に向かって垂直にあけるようにします。
続いて種駒の打ち込み作業。ボウルに入っているのが種駒で、あけた穴に洩れなく打ち込みます。
穴を開けたのに駒を打ち忘れると、そこに水が溜まったりして雑菌が入り込み、失敗することがあるらしいです。種駒を汚れた手で触ったり、地面に落としたものを打ち込んだりするのも良くないとのこと。
駒打ち完了後は、仮伏せ・本伏せの方法についての説明。ダメなのは乾燥と高温で、最低でも週に一回は水遣りを忘れないこと(特に乾期は注意)、直射日光が当たるような場所は避けることが必須、蒸れたりするのもいけないようです。ですので、寒冷紗などを使用して原木を覆い、樹皮が適度に湿り気を保つようにしなくてはいけません。
昼休みを挟み、午後はヒラタケの植菌を行います。
ヒラタケの菌は種駒ではなくオガクズに菌を混ぜたものなので、シイタケとは異なりサンドイッチ方式で栽培します。原木を短く切り、切断面に菌を挟んで植菌する方法です。
まずは原木をチェーンソーで切断していきます。使うのはサクラです。
植菌する切断面は水洗いしてキレイにしておきます。
ヒラタケの種菌をパックから出して良く分解し、水を混ぜます。
水の分量は、ギュッと握って滴り落ちるくらい。これで種の準備は完了です。
準備した種菌を、片方の原木の切断面に平らに伸ばします。手は清潔に。
伸ばし終えたらもう一方の切断面で挟み、切断面が露出しないようテープで固定して完了です。
この状態でシイタケと同様に仮伏せを行った後、8月下旬頃に切断面を切り離して本伏せに移行。成功すれば10月~11月頃に収穫できるとのこと。
以上ですべての日程が終了し、参加者全員に修了証が授与されました。チェーンソーの講習から始まり、チェーンソーの実技、間伐にキノコ栽培と、これまで知らなかったことを色々と学び、新しいことを体験できて、自分にとっては実りある研修だったと思います。ただ、研修会の目的が森林ボランティアのリーダーを育てるということですので、参加者同士の交流の場があるといいのにな、という気はしました。
さて、実習で作った原木は、各自持ち帰って面倒を見ることになります。幸いウチは、戸建てのアパートで庭もありますので、夾竹桃の下を少し片付けてスペースを確保しました。
持ち帰ったシイタケの原木です。落ち葉が散乱していましたが、水分が地面から蒸発して原木に当たるよう、掃除しました。細めの木だと菌の回りが速いので、もしかしたら春にはいくつか出るかもしれないとのこと。
ヒラタケの原木は、倒れて切断面が外れたりしないようレンガで囲みました。壊れたスノコを集めて下に敷き、直接土に触れないようにしてあります。
全体像はこんな感じ。壊れた簾を使って西日+風除けを施しました。
半日陰なのでこれで十分だとは思いますが、スズメやヒヨドリが夾竹桃の枝に留まって糞をするので、更に糞除けのために上面も簾で覆っておきました。
これであとは水遣りを続ければOKかと思います。収穫までには野菜より時間が掛かるので、気長に栽培を楽しむことにしましょう。
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今回のテーマは「森林の利活用」ということで、間伐材などを利用したキノコ栽培の実習です。
まずはスタッフの方から、キノコに関する基礎知識と栽培方法の説明を受けます。基礎知識の内容は、キノコの役割と栄養価、都道府県別の栽培状況など。要約すると概ね以下のようになります。
- キノコはカビなどと同じ菌類で、枯れ木や落ち葉などを分解する働きがある。
- 樹木と共存共栄している。
- 虫に寄生する冬虫夏草は害虫を減らす働きがある。
- 低カロリーで食物繊維が豊富、ダイエットに効果的。
- 日光に当てるとビタミンDが増加するので、買ってきたキノコは30分くらい日光浴させると良い。
- 発ガンの予防効果がある(マウスでの実験)。
- 茨城県は原木栽培の生シイタケの生産量が、全国第2位(1位は群馬県)。
- ヒラタケ、ブナシメジ、マイタケ、エリンギの生産量も全国10位以内。
栽培方法に関する説明は、栽培に適する樹木の種類と栽培方法の流れです。
前者についてはキノコ栽培の本から抜粋した表をもらいました。キノコもたくさんの種類があるので棲み分けが必要ということで、向き不向きの樹種がキノコごとに異なるとのこと。ただし一般的に言えるのは、樫などの堅い木や針葉樹は全般に不向きで、柔らかい落葉樹が栽培には向いているらしいです。とはいえ、木の種類なんてほとんど知らないし、ましてや堅いか柔らかいかなんて全く分かりませんけどね。
栽培手順はだいたい以下の通りです。
- 原木の準備:樹木の伐採、枝払い、玉切り(伐採した木を長さ90cm程度に切り揃える)
- 植菌:キノコの菌を原木に植え付ける
- 仮伏せ:原木内に菌を活着させる
- 本伏せ:原木内に菌を蔓延させる
- 収穫:キノコ発生の条件(湿度や温度)が整えば、キノコが出てきて収穫!
前置きがだいぶ長くなりましたが、いよいよ実習に入ります。今回は↑の手順の中から植菌作業を行います。原木の準備からやらないのは、伐採してから樹木の細胞が死滅するまでに2ヶ月くらい掛かるためで、細胞が生きている状態では、菌を植え付けても活着しにくいからだそうです。
午前中はシイタケの植菌です。ご存知の方もいるかと思いますが、シイタケの菌は種駒(家具などに使うダボみたいなもの)として販売されており、それを原木に打ち込むことにより、菌を植え付けます。
ということで、まずは種駒を打ち込むための穴を、専用のドリルを使ってあけていきます。使う原木はコナラで、割り当ては一人2本。
菌糸は樹木の繊維に沿って伸びていくので、縦方向は20センチ程度の間隔をとります。原木を4回から5回くらい回転させて、円周方向には千鳥になるようにあけていきます。
穴の深さは2センチ程度で、種駒を打ち込んだ先に少しスペースが確保できるようにするとのこと。それもドリルの方で調整してあるので、穴あけ作業は超簡単。1本につき1分も掛からずに終了です。ただし、斜めにあけると駒を打ちにくくなるので、樹皮から木の中心に向かって垂直にあけるようにします。
続いて種駒の打ち込み作業。ボウルに入っているのが種駒で、あけた穴に洩れなく打ち込みます。
穴を開けたのに駒を打ち忘れると、そこに水が溜まったりして雑菌が入り込み、失敗することがあるらしいです。種駒を汚れた手で触ったり、地面に落としたものを打ち込んだりするのも良くないとのこと。
駒打ち完了後は、仮伏せ・本伏せの方法についての説明。ダメなのは乾燥と高温で、最低でも週に一回は水遣りを忘れないこと(特に乾期は注意)、直射日光が当たるような場所は避けることが必須、蒸れたりするのもいけないようです。ですので、寒冷紗などを使用して原木を覆い、樹皮が適度に湿り気を保つようにしなくてはいけません。
昼休みを挟み、午後はヒラタケの植菌を行います。
ヒラタケの菌は種駒ではなくオガクズに菌を混ぜたものなので、シイタケとは異なりサンドイッチ方式で栽培します。原木を短く切り、切断面に菌を挟んで植菌する方法です。
まずは原木をチェーンソーで切断していきます。使うのはサクラです。
植菌する切断面は水洗いしてキレイにしておきます。
ヒラタケの種菌をパックから出して良く分解し、水を混ぜます。
水の分量は、ギュッと握って滴り落ちるくらい。これで種の準備は完了です。
準備した種菌を、片方の原木の切断面に平らに伸ばします。手は清潔に。
伸ばし終えたらもう一方の切断面で挟み、切断面が露出しないようテープで固定して完了です。
この状態でシイタケと同様に仮伏せを行った後、8月下旬頃に切断面を切り離して本伏せに移行。成功すれば10月~11月頃に収穫できるとのこと。
以上ですべての日程が終了し、参加者全員に修了証が授与されました。チェーンソーの講習から始まり、チェーンソーの実技、間伐にキノコ栽培と、これまで知らなかったことを色々と学び、新しいことを体験できて、自分にとっては実りある研修だったと思います。ただ、研修会の目的が森林ボランティアのリーダーを育てるということですので、参加者同士の交流の場があるといいのにな、という気はしました。
さて、実習で作った原木は、各自持ち帰って面倒を見ることになります。幸いウチは、戸建てのアパートで庭もありますので、夾竹桃の下を少し片付けてスペースを確保しました。
持ち帰ったシイタケの原木です。落ち葉が散乱していましたが、水分が地面から蒸発して原木に当たるよう、掃除しました。細めの木だと菌の回りが速いので、もしかしたら春にはいくつか出るかもしれないとのこと。
ヒラタケの原木は、倒れて切断面が外れたりしないようレンガで囲みました。壊れたスノコを集めて下に敷き、直接土に触れないようにしてあります。
全体像はこんな感じ。壊れた簾を使って西日+風除けを施しました。
半日陰なのでこれで十分だとは思いますが、スズメやヒヨドリが夾竹桃の枝に留まって糞をするので、更に糞除けのために上面も簾で覆っておきました。
これであとは水遣りを続ければOKかと思います。収穫までには野菜より時間が掛かるので、気長に栽培を楽しむことにしましょう。
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木を切るだけかと思っていたら、こうなるわけですね。自分で栽培した椎茸を網で焼いたりしたら美味しいでしょうね~。食い気先行です。
by やっぱり海が好き (2010-12-20 12:23)
買ってきたキノコは30分くらい日光浴させると良い。 ・・・・そうなんですね~!(^^)!早速試してみよう。
研修お疲れ様でした。
by ぱピ子 (2010-12-20 23:07)
私もこれからは気軽に日光浴させられます ^ ^
(私の買ってるのは原木しいたけが多いので、日光浴済みかな?)
それにしても寒い中でしょうけれど、楽しげな作業☆
ここからにょきにょきになったら楽しいですね〜
by おじゃまま (2010-12-23 10:25)
やっぱり海が好きさん
木を切るだけでもそれなりに楽しいですが、やはり食べる楽しみもないと。
キノコ栽培、うまくいくといいのですが。
ぱピ子さん
すべて受け売りですので、ホントに効果があるのかは??です。
特にガンの抑制については、スタッフの方も弱気発言でした(^^)
おじゃままさん
市場に出回ってるシイタケの7~8割は菌床栽培らしいですね。
もちろん菌床だからといって体に悪いわけではないですが、
原木栽培の方が歯ごたえなどは良いそうです。
干し網、ガンガン活用なさってくださいね!
by とみー (2010-12-28 00:33)